喪失 [書籍]
スウェーデン発のミステリー。
主人公は、金持ちの家に生まれた33歳の現女ホームレス。
たまに、清潔なスーツを身につけ、ホテルのレストランで男を騙し、高級料理と部屋を確保する。財布が無くなったとか吹かして、男から金を借り踏み倒す。寝るわけで無く、部屋を別に用意させるのだ。
いつものように、その手口が成功するも、その日の男が惨殺されてしまい、見事、殺人事件の容疑者に。同じ手口の殺人が続き、連続殺人の犯人とされてしまった。
逃走先の学校の屋根裏部屋で知り合った少年の助けをうけて、真犯人探しが始まる。
主要なパートのミステリー部分もいいのだが、主人公が家出をしホームレスになるまでの過程の描写が面白い。また、前半の警察から隠れまくっている様子もなかなかだ。
その辺の描写が長く、何と犯人探しは、全編の3分の1程度にしか満たないのだ。
そして、どう考えてもアッーな犯人に誰もが思い至るのだが、主人公は真犯人のことを簡単に信用し、自ら危機に陥る。
危機を脱出するも、警察に捕まるが、容疑が晴れるのが異常に早い。
ちょっと後半は、前半の丁寧さに比較すると、あまりに雑ではないかと。
とんでもないバッドエンドになるのかと思ったら、棚から牡丹餅みたいなことになった。
お勧め度:☆☆☆ 棚から牡丹餅度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆
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