2010年9月11日(土) 21:30~ TOHOシネマズ川崎6
料金:1200円(レイトショー料金) パンフレット:未確認

『悪人』公式サイト

深津絵里が賞を取ったからか、TOHOシネマズで延々と予告編を流していたからか、初日とは言えレイトショーの終映が24時だというのに妙に混んでいる。銀座地区ではみゆき座での公開だが、小さいみゆき座で収容できる客の倍ぐらい入っている。これだとみゆき座の席は、全回ほとんど完売か。

能天気な好青年のイメージの強い妻夫木が、何を考えているか判らない物凄い暗い男を演じ、いつ観ても恩田すみれを演じていても幸薄そうな顔の深津絵里が、まさに幸薄いこれまた暗い女を演じる。

どうしたものか世の中に恨み千万な暗い男女のラブストーリーで、取り巻く人間も若干名を除いて根性の曲がった奴ら、すなわち悪人ばかりなので、とても憂鬱になってくる作品だ。

2時間以上の間、陰々滅々とした話を観させられるのだが、意外なことに退屈はしない。

怪優満島ひかりが、本当に車から蹴りだしたくなるような鬱陶しい女を怪演。相変わらず出来る女だ。
ナイスガイしか演じないような岡田将生が、根性の曲がった坊ちゃん大学生を好演。着実に成長している。
その他の役者も芸達者揃いだ。

嫌な奴だらけの本作で、バスの運転手が、まさに九州男児ここにありな男気を見せている。一番の役得と言えよう。

坊ちゃん岡田の取り巻きみたいな友人たちの中で、唯一真人間さを見せる役を永山絢斗という奴が演じている。坊ちゃんを殴るかと思ったら、そんなことも無く大して活躍はしない。しかし、かなりのクローズアップ度合いである。瑛太の弟だということだが、スターにでもしたいのかね。プッシュしまくり、かなり不自然な扱い。

お勧め度:☆☆☆ 薄幸度:☆☆☆★ 俺度:☆☆☆