1月25日(月) 20:40~ 銀座シネパトス1
料金:1300円


日本沈没 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD



名画座宣言した銀座シネパトスの「銀座シネパニック!!~邦画パニック映画特集~」の一本。まずは、映画館発行のチラシから当作品の解説を引用。

<引用開始>
日本が世界に誇るパニック映画の金字塔。我らが中野昭慶特技監督による東京大地震、富士山噴火、そして列島沈没シーンは圧巻の一言。『東京湾炎上』に引き続き、藤岡、丹波の熱演が光る。やっぱり本当に面白いのはリメイクよりオリジナル!
<引用終り>

何おかいわんや、なんだが。爆破魔ボンバー昭慶は、水を得た魚のごとく、爆発の大盤振る舞いにすぎず。本郷猛と丹波先生は確かに熱演だが、決して『東京湾炎上』に引き続きでない。あれ熱演していないし、後の製作だし。最終日に、樋口監督と昭慶監督のトークショーが予定されているようだが、リメイクに駄目出ししていいのか。すねて、来ないかもよ。

ということで、訓練で骨折してしまう駄目レスキューのコウと、交通機関が麻痺しているのに神出鬼没、どこにでも瞬時に現れる、テレポーテーション能力を持つに違いない草ナギの珍作「日本沈没」のオリジナル。役名が色々と同じである以外、草ナギ版とまったく違うストーリー。

リメイク版は草ナギのベッドイン拒否シーンに代表されるラブストーリー中心の話であったが、本作での恋人役藤岡弘こと本郷猛といしだあゆみの関係は刺身のツマ程度の扱い。出会ってその日に関係を持ち、どう考えても二度目に結婚の約束、しかも本郷「愛しているかわからない」とかいう。恐らく三度目で日本脱出の約束。貴金属を全部売れという本郷だが、航空券をそれで捻出したと思われる。

しかしだ。丹波先生や二谷英明など中高年の渋さが光る作品である。立派な仕事人ぷりである。

前半の東京大地震終了までは、眠くて何度も落ちたのだが、後半からクライマックスの沈没に至るまでの、オッサンたちのドラマ部分が面白かった。(地震は前兆で、およそ二年後に沈没するという設定。)

念のため、草ナギのは、日本は一部分残るが、本作では完全沈没する。

あゆみが、出国の前日に何故か実家に戻り、東京へ移動中に火山の噴火、ふたりは離れ離れになる。本郷は、ひとりで出国せず最後の最後まであゆみを探すが見つけられず。
二人ともアウトかと思ったが、あゆみは二人の目的地スイスらしきところの列車に、本郷は中国らしきところの列車に登場、何となく希望のある終わり方でエンド。

ということで、この作品は、総理大臣役の丹波先生、マッドサイエンティスト風の小林桂樹、移民のための外交に頑張る特使役の中村伸郎、対策室の責任者らしい二谷英明などの中高年の活躍を楽しむ、中高年賛歌な映画である。

原作者の小松左京らしいオッサンが出ていると思ったら、やはりカメオ出演していたようだ。
政府高官にマントルをわかり易く説明するのは、竹内均先生本人。
神谷明が声の出演をしているようだ。「ゲッタービ~~~~ム!」は、翌年からか。

お勧め度:☆☆☆ 爆発度:☆☆☆☆ 俺度:☆☆☆