2010年5月21日(金) 19:00~ テアトル新宿
料金:1000円(Club-Cテアトル会員料金) パンフレット:700円(買っていない)

『武士道シックスティーン』公式サイト

ガーリー小説が得意の誉田哲也原作。誉田哲也の本は、「疾風ガール」しか読んでいないので、こちらは未読。「武士道セブンティーン」「武士道エイティーン」と続いている。

成海璃子が、剣道道場師範の娘のエリート剣道女剣士磯山。愛読書が「五輪書」だ。
一方、特に強くなりたくもない剣道部員西荻が北乃きい。

独特の足捌きと間合いがあるのか、中学校の大会で、西荻が磯山に勝ってしまう。負けず嫌いの磯山は、西荻の通う中高一貫性女子校に高校から入学してくる。

で、友情物の話だ。

どんなになってしまうのか心配させられた璃子ちゃんであるが、少しばかり頬の肉は落ち、「神童」などで得意の変わった天才肌のとっつき難い役。いつも眉間に皺を寄せている。
きいちゃんは、キャラクターイメージのような、おおらかな性格の役。ほとんど、へらへらしている。

それなりに面白い作品であるが、主演の二人が違う人間だったら、意外とありきたりの凡庸な作品だったかもしれない。

特に最後に関しては、インターハイとその一年後の大会で再開が蛇足な感があり、どうにもしっくりこなかった。インターハイ前のシーン、彼女らにとっての巌流島で、3本勝負1対1の3本目に竹刀がぶつかり合って終わらせても良かったと思う。

気になったので、原作を流し読みしてみたら、結構脚色はされているようだ。
ただし、西荻が福岡に引っ越した後、どこかの大会で再開する場面があるのは同じだった。

いずれにせよ、主演の二人は魅力的だったので、ファンの俺には満足なものであった。
後、主将がきつい女で素敵。

高校の体育で、何故か剣道を毎年、冬にやらされた。よりによって180センチ以上の大将と組む羽目に。馬鹿にするように籠手ばかり打ってくる。痛いのなんの。そして、当然ボロイ防具を使いまわしするのだが、面はぴちゃっとするし、籠手もヌルヌルし、外すと手が尋常じゃなく臭い。何度洗っても匂いが取れない。次の日まで取れない。
本作で、そんな臭いものを使っていたとは思えないが、その辛さを思い出すと、よく頑張ったなと彼女たちの頭を撫でて褒めてやりたい。

監督は、少年少女の作品ばかり撮る古厩智之。高専のロボット部を描く「ロボコン」しか観ていないが、人気者になる前の長澤まさみが出ていて、結構、面白かったぞ。まさみちゃんの唄う夢先案内人が素晴らしい。

お勧め度:☆☆☆ 巌流島度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆☆