四畳半神話大系 (角川文庫)

  • 作者: 森見 登美彦
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2008/03/25
  • メディア: 文庫



アニメでその存在を知った。
京都の大学生が入学してから2年間の大学生活を、映画サークルに入ったらとか謎の怪人に弟子入りしたらなどのパラレル・ワールドで描くコメディ。
主人公の男が理屈ぽく、堅苦しい表現で独白するのが、とても面白い。

アニメが先で小説が後となったが、アニメは小説の雰囲気を見事に再現していると言える。

読んでいると、「わたし」、小津、明石さん、樋口師匠、羽貫さん、城ヶ崎先輩らが、そのまま目に浮かぶ。

小説は、アニメに比較してエピソードが少ない。小説をベースに話を膨らませたアニメ・シリーズは見事なものだ。

アニメのことばかり褒めているが、あの「わたし」の独白を堪能できる小説は、アニメと異なる面白さがある。「猥褻非猥褻の区別無く」など印象的なフレーズは、テレビでは出てこなかったと思う。

それにしても小説で、ひとつ解読できないところがあるのだが、
夜中に小津に出会うものは、十人中二人は小津を妖怪と思い、残りは妖怪である。
これは十人の中の八人は妖怪そのものだと言っているのだろうか。

京都の色々な地名が出てきて、行ってみたいなと思わせる。せめて、劇中に出てきた地名をまとめて、画像でも集めてみるか。
合格祈願失敗と言われる吉田神社など、とても興味深い。

お勧め度:☆☆☆☆ ニヤリ度:☆☆☆★ 俺度:☆☆☆☆

アニメ版記事
四畳半神話大系 第一話 テニスサークル「キューピット」
小説では、テニスサークルは出てこないが、デルタ地帯への攻撃が話の中心。
四畳半神話大系 第二話 映画サークル「みそぎ」
城ヶ崎先輩との戦いをクローズアップ。
四畳半神話大系 第三話 サイクリング同好会「ソレイユ」
ほぼアニメ・オリジナル。
四畳半神話大系 第四話 「弟子求ム」
樋口師匠と束子に纏わる話。
四畳半神話大系 第五話 ソフトボールサークル「ほんわか」
アニメならではのスペクタクルシーンの脚色あり。
四畳半神話大系 第六話 英会話サークル「ジョイングリッシュ」
羽貫さん、香織さん、文通少女を巡る主人公の葛藤。小説ではサークル名は明らかでない。
四畳半神話大系 第七話 サークル「ヒーローショー同好会」
ほぼアニメ・オリジナル。女子高生の明石さんとの邂逅。
四畳半神話大系 第八話 読書サークル「SEA」
小説では読書サークルは出てこない。文通相手との話。
四畳半神話大系 第九話 秘密結社「福猫飯店」
文字通り「福猫飯店」に関わるエピソード。
四畳半神話大系 第十話 「四畳半主義者」
「八十日間四畳半一周」
四畳半神話大系 第十一話 「四畳半世紀の終わり」
「八十日間四畳半一周」