2010年7月5日(月) 19:30~ 丸の内TOEI1
料金:0円(完成披露試写会) パンフレット:0円(売値不明。豪華なプレスかもしれない。)

『必死剣鳥刺し』公式サイト

初めて試写会に行きましたよ。しかも舞台挨拶付き。家に招待状が来ていて、どこで当たったんだろうと思ったが、どうやら「必死剣耳掻き」を調べた時に、公式サイトから申し込んだのが当たったようだ。残念ながら「必死剣耳掻き」は、貰えなかった。

登壇したのは、主役の豊川悦司、ヒロインの池脇千鶴、いい役の吉川晃司、殿役の村上淳、殿の側室の悪女役関めぐみ、出てくるだけで怪しい日本映画界の重鎮岸部一徳、主題歌を歌うalan、監督の平山秀幸。司会進行は、猫家だか噺家みたいな名前の奴。名前失念。千鶴ちゃんが、ちっちゃくて子供みたいだ。関めぐみは、吉川と並んでもデカイ。
噺家みたいな奴は、皆に「どんな人に見てもらいたいですか。」とワンパターンで聞くので、少々飽きる。が、監督だったかが、「サラリーマンに見てもらいたい。」、一徳が、「私は団塊世代なので、日本を支えてきた人たちに。」というのは、サラリーマンの俺には、少し期待感を抱かせる。
しかし、吉川のはずすジョークなどで、挨拶自体は、あまり盛り上がらずあっという間に終了。

メディアの連中は兎も角、一般の招待客と思われる連中まで、挨拶終了後本編を観ずに速攻で出て行く奴がいた。関係者か何かなのか?

離れた席なのに、微妙な知り合い風の挨拶している招待客たちもいたが、映画ブロガーの皆さんですか?知っているハンドルネームでも出るかと思って聞き耳をたてたが、よく聞こえなかった。しかし、そんなところでハンドルネームで呼ばないか。

肝心の映画だが、
必死剣とあるが、藤沢周平の隠し剣シリーズの一遍だそうだ。遅れてきた東映藤沢周平の2作目。

殿を唆し悪政をさせる悪女の側近を、トヨエツが刺し殺すところから、いきなり物語が始まる。トヨエツは、自害も覚悟していたのだが、1年間の減俸と幽閉の身になることを申し付けられるだけ。幽閉されて引っ込んでいるところと、過去のシーンが交互に繰り返される。これが退屈でなんの。

しかも、吉川晃司は正義感の強い役回りらしい、千鶴ちゃんはトヨエツに行為を寄せているらしい、小日向のおっさんは生真面目で孤立しているトヨエツの唯一の理解者らしいのだが、残念ながら、それらの感情が強く訴えてこない。
正直言って、千鶴ちゃん、子供みたいなので、悪いけどミスキャスト。

おかげで、後半のシーケンスに響いてこず、山田洋次作品との力量の差を感じてしまった。

クライマックス15分は自慢しているだけあって、トヨエツが鬼神のごとく暴れる。これは中々の出来だ。ここまで殺陣をやるとは思わなかった。「課長島耕作」で俊ちゃん耕作に惚れるエリート樫村を演じていた奴とは思えない。

しかし、前述のように、人間関係が訴えてこないので、感動できるものでなかったのは残念だ。最後の殺陣までずっと退屈だったなぁ。
トヨエツ、何考えて生きてんだか、全然わかんねぇし。わかんねぇから、感情移入できないし。

監督のサラリーマン云々の話で、司会者が中間管理職とか言っていたが、あの役どころは取締役クラスであって、決して中間管理職ではない。テキトーな発言は慎んでくれ。

例によって庄内がロケ地であり、例によって景観はあるが、山田洋次作品より楽しめないのは偏見か。

過去の藤沢周平映画と比較すると、孤軍奮闘の暗い作品である。殺陣は、一番長く凄まじい。

鳥刺しは、我流で編み出したようなことを言っていたが、どういう状況で編み出したのか極めて謎である。

最後に。トヨエツのおっぱいは、かなり豊満だ。

お勧め度:☆☆ 鬼神度:☆☆☆★ 俺度:☆☆