あの日にドライブ (光文社文庫)

  • 作者: 荻原 浩
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/04/09
  • メディア: 文庫


社会人小説が得意な荻原浩。本作は、大手銀行で上司に逆らい、出向の命を受け、それに腹を立て銀行を退職。公認会計士にでもなるかと、腰掛でタクシードライバーになるも、あまりに過酷な現実の生活に疲れ、昔戻ってやり直すことができれば・・・。という話。

「リプレイ」のように本当に人生をやり直すのでなく、夢想でシミュレーションするだけ。
結局、今の人生が一番でないかという結論になるのは、「リプレイ」と同じ。

他の社会人作品と異なり、ユーモア度は控え目。他の作品も苦労が耐えないのだが、本作は他に比較しても相当辛辣だからかなぁ。

前に在職した銀行というのが、今時そんな会社ねえだろうというぐらい戯画化されているのは、面白いのだけどやり過ぎじゃねーか。あんな上司いたら、部下たちから即効で追い出されるよ。

タクシー・ドライバーの仕事での動きには、荻原浩の詳細なリサーチがある。って、実際のことは知らないんだけど。

お勧め度:☆☆★ ユーモア度:☆☆★ 俺度:☆☆★