7月13日(金) 21:20~ シネセゾン渋谷
料金:1000円(Club-Cテアトル会員料金) パンフ:600円

『封印殺人映画』公式ブログ

スラッシャー映画の歴史を紐解く作品だ。神ジョン・カーペンター先生のインタビューなどを中心に進められる。
関係者のインタビューが非常に興味深い。しかし、左側テロップに人物の説明、右側にその人物の発言の字幕というシーンが多々あり、追いきれなかった部分があるので、DVD購入の必然性を感じた。「血のバレンタイン」の製作者ナントカー・カントカーとか知らない奴の名前をスクリーン左で認識していたら、その最初の発言がスクリーン右の字幕から消え去っている訳だ。

中心は、あくまでもスラッシャー映画で、カーペンター先生のエポックメイキングな作品「ハロウィン」、「13日の金曜日」やそれに続く基地害に刃物系作品なので、「死霊のはらわた」や大傑作「ゾンバイオ死霊のしたたり」といった内臓系なスプラッタ映画は、当然範疇外なので紹介されていない。
スラッシャー映画は、低予算で客が良く入るということで、愚作が大量に製作され、次第に廃れていって、「エイプリル・フール」なる作品と、ジェイソンとフレディのアホ化(グッズの発売やテレビ化)が、止めを刺したそうだ。(その後、ジェイソンとフレディは、もっとアホになり、コメディで対決するのだが・・・)

スラッシャー関係者によるとアカデミー受賞作品「羊たちの沈黙」が、ブーム再燃の先駆けであり、「スクリーム」「ラスト・サマー」などの再度のブームに繋がったという。レクター博士が、エド・ゲインの流れを汲む変態殺人鬼であるので、「羊たちの沈黙」をスラッシャー映画であるとするのは、吝かでないが、「スクリーム」「ラスト・サマー」は、昔のスラッシャーのセルフ・パロディとしか思えないがな。

首チョンパな映像は、作品中適当に挿入されるので、緊張感無く写されるため、作り物具合が手に取るようにわかり、まったく怖くない。しかも内臓系の作品は出てこないので、グロ度はかなり低い。

日本で、宮崎某の事件で、ホラー映画がビデオ屋から撤収したことがあるように、アメリカでもPTAみたいなのが大批判するそうだ。作品の最後は、スラッシャー映画関係者の「俺たちの作品が、悪影響を与えているはずがない。」という趣旨の発言群で終わる。

一種のカルチャーを記録する作品ではなく、あくまで好事家向きの作品なので、マイケル・マイヤーズと聞いて「マイクの間違いだろ」などと勘違いするような人は見てもつまらないだろう。

お勧め度:☆☆ 基地害に刃物度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆★

以降、グロいジャケットが満載なので、