2010年8月28日(土) 21:00~ ヒューマントラストシネマ有楽町1
料金:0円(Club-C会員ポイント使用) パンフレット:1000円(買っていない。かなり厚い。シナリオ付き。)

『キャタピラー』公式サイト

最初は、江戸川乱歩の「芋虫」かと思っていた。色々な事情により、微妙に違う内容だそうだ。

思想的に妖しそうな若松孝二なのだから、そりゃあ「芋虫」とはかなり違うのだろうな。

が、過激なタイトルのピンク映画で名をはせ、学生運動家の絶大な支持を受けていた若松孝二の作品を観たことは無い。直近のあさま山荘の話も。

で、勝手に持っていたイメージからすると、思ったよりは意外に普通に嫌な反戦映画だった。もっと嫌と言ったら、「ジョニーは戦場に行った」には敵わない。

ただ、夫婦の感情の描写というか、夫婦の演技は特筆ものである。
お世辞にも美しくない寺島しのぶなので、生身の人間が感じられて、ドロドロな演技は流石に女優賞を受賞するだけある。
キャタピラーな人の演技も素晴らしく、その特殊造型、VFX処理も素晴らしい出来だ。と、特殊効果にとても感心。

その寺島しのぶの精神的葛藤から、本作を反戦映画でなく介護問題として捕らえると、実は極めて現実的なテーマでもある。その辺は、「ジョニーは戦場に行った」とは、コンセプトが異なるのか。若松の爺さんの考えはわからないけど。

お勧め度:☆☆★ 過激派度:☆★ 俺度:☆☆★