2008年9月21日(日) 18:40~ ユーロスペース1
料金:1200円(会員料金) プログラム:500円(買っていない)

『おろち』公式サイト

そもそも、楳図先生の原作は、幽霊とかの恐怖でなく、人間の心理の怖さを描いた作品である。キャーと怖がれる作品じゃないぞ。おろちは、人生の傍観者。いろいろな奴が主役となる複数の完結したエピソードの短編集だ。

さて、連戦連敗の楳図先生の作品の映画化。「タマミ」で少し盛り返したが、もう一人のホラークイーン「おろち」が大傑作となるか?

ならなかった。

原作の二つのエピソードを混ぜた結果、物語を解りにくいものにしてしまった。
姉妹の確執が感じ取れない。
それに善人が悪人になるという重要な要素が、省かれている。
悪役の狡猾さも感じられなくなった。

これらは、二作を融合するため、原作のいくつかのストーリーを省いた結果によるものであろう。ひょっとしたら、省かれたもので、脚本を作り直したほうが面白いのが出来るのでないか。検証はしないけど。

まあ、木村佳乃の怪演は、なかなか良かったぞ。

谷村美月は、喜怒哀楽のほとんど無い役を、これで三回くらい連続で演じている。
「檸檬の頃」でわかるように、出来る子なのだが、このような役柄に固定化されないか心配。
それしても、おろちを演じるほど美少女ではないんだが・・・

おろち役は、成海璃子ちゃんが良かったのでないかと。

お勧め度:☆☆ 恐怖度:☆ 俺度:☆☆★