2013年3月23日(土) 16:05~ チネ9
料金:1000円(チネチッタデー) パンフレット:未確認


時空を超えた「バベル」

『クラウド アトラス』公式サイト

スピード・レーサー」(俺は高評価)で仕出かしたウォシャウスキー兄弟改め、ウォシャウスキー姉弟の新作は、「ラン・ローラ・ラン」の監督トム・ティクバとの共同監督。
時空を超えた「バベル」で、あらゆる意味での解放あるいは脱出の物語。

1850年頃、1930年頃、1970年頃、現代、2100年頃、2300年頃、6つの物語が並行して進行。トム・ハンクスやハル・ベリー、スーザン・サランドン、ヒュー・グラントなどの役者が、異なる役でそれぞれの物語に登場。

物語は頻繁に入れ替わり、油断していると置いてきぼりになりかねないが、演出がいいのか、混乱することなく見続けることができる。また、その切り替えがあるから、3時間近い長尺だが、弛むことなく鑑賞可能。

話のテーマは、1850年は奴隷制度、1930年はLGBT、1970年は陰謀、現代は介護問題、2100年はクローン制度、2300年は環境汚染。

それぞれの話は、1850年の主人公の本の愛読者が1930年の主人公で、その恋人(ゲイ)が1970年の告発者で、告発者の味方のジャーナリストの上司が現代の主人公(これは自信ない)。その男の謎のフィルム(?)を見たのが2100年のクローン娘、クローン娘が神として崇められているのが2300年と繋がる。

役者は複数の話に違う役で出てくるが、ハル・ベリーの1970年のジャーナリストと2300年の未来人に、子孫だとか輪廻とかの要素は感じられないので、その辺は深読みし過ぎと思う。
まあ、俺は顔の認識率が低いので、あまり気にしないですむのかもしれないが。ビルで大暴れの作家なんて、トム・ハンクスに見えないもの。(いや、トム・ハンクスとヒュー・グラントは、すべてそう言われないと判らん。勿論女装看護師も。いわんや、ハル・ベリーのモグリ医者。)

介護の話はコメディ、クローンは近未来SFと、それぞれのテーマにも独特の味わいがある。

お勧め度:☆☆☆★ バベル度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆★