2011年2月20日(日) 18:00~ チネ12
料金:1300円(川崎の金券屋で前売りを購入) パンフレット:800円(買っていない)

『男たちの挽歌』公式サイト

世界で好きな映画の5本に入るジョン・ウー先生の大傑作「男たちの挽歌」の何と韓国リメイク。「ブラザーフッド」や「チング」など湿っぽい男の映画は苦手じゃない国だろうから、それ程不安視はしていなかったのだが、最後の10分を除けば、オリジナルの雰囲気を台無しにすることも無く、まあ概ね良いだろう。

以下、人物の表現が紛らわしいので、事前に説明
ホー 「男たちの挽歌」のヤクザの幹部。ティ・ロン
マーク その弟分。チョウ・ユンファ
キット ホーさんの実弟。刑事。レスリー・チャン

ホーさん役の奴 本作のヤクザの幹部
マーク役 その弟分。

微妙に設定は違う。
兄弟は脱北者。よってもってか、キットの妻や兄弟の父親といった家族で出てこない。
兄がヤクザで弟は刑事というのは同じだが、オリジナルでは身近で生活しているのに兄の職業を知らない弟(父親は、兄の職業を知っている。)という謎の設定は、兄弟は脱北者で長いこと生き別れになっていたことで、消化された。しかし、その弟は兄が自分を捨てたと思って憎んでおり、韓国に来た弟が兄がヤクザなのに、それを捕らえるため警察に職を持てるという謎が発生。

伝説のマーク突入シーンは、女の肩を抱きながら植木に銃を隠すという重要なシーンが無かった。

ヤクザから足を洗う「ホーさん役の奴」は、オリジナルのようにタクシー会社勤務でなく、韓国らしいのか運転代行の仕事を行う。
ホーさんの面倒を見るタクシー会社のオヤジはいい味を出していたものだが、今回「ホーさん役の奴」を面倒を見るのは、何と引退間際(「ホーさん役の奴」の出所後は引退済と思われる)の刑事だ。それと刑事の姉のような食堂の叔母さん。

キットに「刑事さんと呼べ」と言われたホーさんだったが、「ホーさん役の奴」は言われる前に自ら弟を「刑事さん。」と呼んだ。

オリジナルで悪役は組長を殺害するが、本作の組織の組長の存在は不明だった。

屋上でのマークへのフルボコシーンは、ワイヤーで吹っ飛び、とどめのパンチで鼻血ブーではなく、すでに弱っている「マーク役」にパンチ一発のみ。

チョウ・ユンファに比較するとかなり見劣りする「マーク役」だが、ボートで再上陸からは、それまでの低評価を覆すような奮闘を見せる。

「ホーさん役の奴」は、出所後の悲しげな表情が、ティ・ロンを彷彿させるいい演技だ。惜しむらくは少し髪がありすぎる。

と、最初に書いたように概ね良いのだが、最後の10分、エンドロールのケミストリーの歌という噴飯物な事態と、ラスト数分の納得のいかなさで、最後でガッカリしてしまった。

ジョセフ・クーのカッコいいテーマ曲に匹敵するものも無いので、音楽はオリジナルと比較して格段に劣る。レスリーのベタな歌でなく、ケミストリーだしよ。

お勧め度:☆☆★ 最後でガッカリ度:☆☆☆★ 俺度:☆☆★