2010年6月12日(土) 10:00~ TOHOシネマズ六本木ヒルズ6
料金:1000円


大脱走 (アルティメット・エディション) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD



『午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本』公式サイト

TOHOシネマズの『午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本』のひとつ。

子供の頃、よくテレビで放送して人気作品だった。男子の間で「荒野の七人」と人気を分けるような。
しかしながら、実は未見。今回初めての鑑賞。

スティーブ・マックイーンのバイクでウィリージャンプみたいな有名シーンから、それがクライマックスの一人大活躍の脱走劇かと思っていた。

しかし、いきなり「事実を元にしている」とのナレーション。どうやら集団での脱走のようだ。
独房に何度も入るマックイーン。一人脱走するが、集団脱走計画のリーダーの依頼で、収容所を囲む森の向こうの様子を探り、わざと捕まって戻ってくる。

独房から出てきての脱出劇で中心的な働きをするマックイーン、流石は主役だ。結局、アクシデントが重なり当初予定の250人のところ脱走したのは60人。しかも、最後まで逃げおうせたのは、ジェームス・コバーンとブロンソンとその相棒。マックイーンはバイクでジャンプしたが、有刺鉄線に激突しアウト。
リーダー曰く、ドイツ軍の勢力を脱獄兵探しに当てさせ、戦力を削減するのが一番の狙いなので、捕まってしまうのは当初から織り込み済のようだ。しかし、リーダー含め50人くらいが、ゲシュタポに銃殺されてしまう。
その報告を聞き、悲しんだほどのナイスガイのドイツ人収容所長は、脱走されたことで解任。
捕まって戻ってきたマックイーンは、新所長に不敵な笑いを投げつけ、独房へ入っていく。

ドイツ人の収容所の面子は、所長筆頭に人間的に好漢ぞろいで、エルマー・バーンスタインの軽妙な曲と合わせ、この作品を妙に軽快で明るい感じにさせている。一層そう思わせるのは、やはりマックイーンの存在だ。多くが銃殺されていたり、トンネル掘りのブロンソンが実は「わーん、暗いよ、狭いよ、怖いよ~。」だったり、失明してしまった偽造屋の悲劇があったり、耐えられなくてなって真昼間から無理に脱走しようとして銃殺される奴がいたり、シビアでシリアスなエピソードもあるのだが、マックイーンが余裕をかませまくりなので、それらを打ち消してしまう。

一芸に秀でた海千山千の軍人が、それぞれの役なりを黙々とこなしていく様は、プロフェッショナルが好きな俺としては楽しいものがあった。

映画自体3時間近い長丁場なのだが、まったく退屈しなかったぜ。
まさに優れたエンターテイメントの教科書だ。

上映終了後、約2名が拍手。「生きる」と同じ、「椿三十郎」より少ない。「スクール・オブ・ロック」より圧倒的に少ない。まあ、映画で拍手するのは、何か抵抗があるな。

お勧め度:☆☆☆☆ 不敵な笑い度:☆☆☆☆ 俺度:☆☆☆☆