2009年11月7日(土) 21:20~ TOHOシネマズ日劇3
料金:0円(1ヶ月フリーパス) パンフレット:未確認

『スペル』公式サイト

フリーパス鑑賞10本目。

スパイダーマンなんぞを撮っているサム・ライミの久しぶりのホラー。
しかし、俺は「死霊のはらわた」を観ていないという空け者だ。

次長に出世したいがために、支店長の「厳しい決断が必要だ」の教えを守り、ジプシーの婆さんのローン返済延期の願いをつっぱねる融資係の女主人公。

婆さん大怒り大暴れで呪詛の言葉をなげつけると、それからが大変。神出鬼没の婆さんの本体、生霊および死霊が攻撃を加えてくる。尖った入れ歯で噛むあるいは、入れ歯が外れた状態で、カプカプ口で挟み咥えるのが基本攻撃スタイル。これが凄く気色悪い。何せ最初にチタナイ入れ歯を丹念に見せてくれるからな、サム・ライミの野郎、老人への悪意すら感じる。
後者のカプカプ攻撃は、楳図先生の「おろち」「富江」のあるエピソードを思い出したぜ。カプカプ、チュウチュウ。

しかし、この婆さんの力量もあいまって、ほどほどの飛び出し具合と、ほどほどの気色悪さ、伝統を守る終わり方で、納得のいくホラー映画となっている。
同行のホラー初心者は、ビビりまくっていた。ビビるほどの作品では無いのだが。

演技していて物凄く楽しかったに違いない婆さん、知る人ぞ知るひとかどの役者かと思ったが、オーディションで選ばれたそうだ。素晴らしい仕事っぷりに感服する。

予告編で禁句とか言って、主人公が喚くシーンで「ピー」と、台詞を消す思わせぶりなところがあるが、大したことは言っていない。つまり禁句なんてどこにもない。禁句から、言葉で呪いを他人に押し付けるのかと思ったが、まったくそんな話はない。

それから、ラストのバッドエンドの場面が予告編に使われている。忘れていたから良かったものの、記憶力のいい人間には旅行に行く約束の時点で、結末が判ってしまうでないか。

宣伝部の猛省を促す。

いつも思うんだが、ホラーの主役(被害者)って、実際の境遇を知らない傍から見ると危ない人以外の何者にしか見えない。
心理学の助教授だかなんだかも、あの女から離れることのないのは何故だろう?最後のオチのためには必要だが・・・

お勧め度:☆☆☆★ 入れ歯恐怖アイテム度:☆☆☆★ 俺度:☆☆☆☆