とせい [書籍]
ヤクザの組長が出版社の社長となり、代貸は役員を命じられる。
荻原浩の小鳩組みたいな感じかと思ったら、割とハードボイルドだった。
仁義に厚い代貸は、若い衆からも社員からも、色々何かと目頭を熱くする。
お勧め度:☆☆☆ 任侠度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆
クラスルーム [書籍]
最初の出版が理論社のYAということで、いわば青少年向け。
叙述トリックばかり書く作家だそうで、叙述初心者に相応しいとかで売っているようだが、10年前と現在の話が交互に書かれるだけで、何のトリックもない。とってつけたような幹事と真犯人。
30ページくらいで収まる内容が延々と続くだけで爽快感が無い。
松尾の拳銃保持の回収だけは、ちょっと驚いたが、非番で拳銃は持ち歩かないと思うのだが。
お勧め度:☆☆ 叙述トリック度:☆ 俺度:☆☆
タグ:ミステリー
武士猿 [書籍]
三匹のおっさん [書籍]
嘘、そして沈黙 [書籍]
ドリームマッチ [書籍]
喪失 [書籍]
スウェーデン発のミステリー。
主人公は、金持ちの家に生まれた33歳の現女ホームレス。
たまに、清潔なスーツを身につけ、ホテルのレストランで男を騙し、高級料理と部屋を確保する。財布が無くなったとか吹かして、男から金を借り踏み倒す。寝るわけで無く、部屋を別に用意させるのだ。
いつものように、その手口が成功するも、その日の男が惨殺されてしまい、見事、殺人事件の容疑者に。同じ手口の殺人が続き、連続殺人の犯人とされてしまった。
逃走先の学校の屋根裏部屋で知り合った少年の助けをうけて、真犯人探しが始まる。
主要なパートのミステリー部分もいいのだが、主人公が家出をしホームレスになるまでの過程の描写が面白い。また、前半の警察から隠れまくっている様子もなかなかだ。
その辺の描写が長く、何と犯人探しは、全編の3分の1程度にしか満たないのだ。
そして、どう考えてもアッーな犯人に誰もが思い至るのだが、主人公は真犯人のことを簡単に信用し、自ら危機に陥る。
危機を脱出するも、警察に捕まるが、容疑が晴れるのが異常に早い。
ちょっと後半は、前半の丁寧さに比較すると、あまりに雑ではないかと。
とんでもないバッドエンドになるのかと思ったら、棚から牡丹餅みたいなことになった。
お勧め度:☆☆☆ 棚から牡丹餅度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆
百番目の男 [書籍]
動機が変だと聞き読んだのだが、メッセージの謎が変態だの間違いだった。
変態サイコ炸裂の後半は面白いのだが、悪戯に登場人物が多く、風景の描写がクドイので、なかなかページが進まない。
主人公の刑事の兄が、ハンニバル・レクターのような奴で、事件の解決に協力するのだが、あまり魅力的な人物でない。
連続殺人で男が何人か殺されるのだが、とうてい100人でなく、何が100番目の男なのか判らない。
枝葉を削って映像化すれば、結構面白いかもよ。
シリーズとして後続があるのだが、多分読まないだろう。
お勧め度:☆☆★ 変態度:☆☆☆★ 俺度:☆☆
タグ:ミステリー
老人と犬 [書籍]
レインツリーの国 [書籍]
ネットで始まる恋。
インターネット以前のパソコン通信で知り合って結婚した連中を二組知っているから、まあ今に始まったことでもないし、それ程珍しいこともない。
ただ、この作品では言葉と文章というものが大切にされている。
ほとんどがメールのやりとりで、全編が進む。
関西人の主人公が、メールでも関西弁を駆使するのが、その厚かましさに最初はどうかと思うが、逆に厚かましいが故に好感の持てる男なので、まあ、そのうちに気にならなくなる。
しかし、この主人公以外で、5,6年以上東京生活をしていて、関西弁を使い続ける人間を一人しか知らない。鷲山というナイスガイを除いて。「ホンマ」
お勧め度:☆☆☆ ネット度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆